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テックビューロが開発する「mijin」とNEMの提携はどのような意味が?徹底検証

昨今、NEMとMijinの提携に関して様々なことが取りざたされており、NEMの未来にとってどのような意味があるのか、ユーザーや開発者から様々な意見が投げかけられています。そこで当ブログでも、MijinとNEMについて掘り下げて検証してみたいと思います。

テックビューロ社について

テックビューロ社の事業は大きく分けて2つあり、1つはビットコインなど仮想通貨の取引所「zaif」の運営と、それに関わる決済などのサービス開発と提供。そしてもう1つは、企業用のブロックチェーン製品「mijin」の開発と販売です。

社名
テックビューロ株式会社
Tech Bureau, Corp.
設立
2014年6月16日
資本金
8億3,013万円(資本準備金含む)
代表取締役:朝山貴生

zaif.jp

mijin.io

この『mijin』のブロックチェーン技術は、2017年9月現在、仮想通貨シェア6位の『NEM』という仮想通貨を作ったスタッフが中心となって作っているので、その技術の高さにも信頼性が持てます。

NEMとは  

2014年1月から開発されてきたNEM(new economy movement)は、金銭的な自由、分散化、平等、および連帯感の原則に基づき『新しい経済圏の創出』を目標としてはじまった仮想通貨(暗号通貨)のプロジェクトです。

NEMは単なる暗号通貨ではなく、それ以上の価値を持ちます。さらに重要なことに、NEMは完全なP2Pのプラットフォームであり、決済、チャット、アセットの作成、ネームスペースシステムなどのサービスも提供しているということです。

このNEMのプラットフォームである仮想通貨の単位は「XEM(ゼム)」で、総発行量は8,999,999,999XEMです。

NEMではビットコインなどとは違い採掘(マイニング)という概念がなく、ネットワーク貢献者への報酬はハーベスティング(収穫)という形で新しいブロックチェーンを作っています。

NEM(ネム)の特性

NEM(ネム)の持つ「Proof of Importance」いう仕組み上では、ネムに貢献した人、つまり多くの取引をした人が報酬を得られるようになっています。これは富の分散化を言われており、多く通貨を持っているだけでは駄目で、取引をしなければなりません。多く通貨を持っている人が報酬を得るために取引をすれば、自然と富が分散されていくという仕組みです。

他にも、スーパーノードや委託ハーベスティングなど様々な画期的な仕組みや技術を採用したり、独自のトークンが発行できたり、メッセージ送信ができたりと多くの機能を持っているのが特徴です。比較的安定したチャートを見せているので長期保有にする人も多く、今後の普及が期待できる通貨です。

プライベートブロックチェーンを構築するMijin

『mijin』とは、2015年の秋頃からテックビューロ専属となった3人のNEMコアデベロッパーたちによって開発されたプライベートブロックチェーンを構築し、企業でも簡単かつ低コストで、仮想通貨トークンを発行・管理できるようにするための製品です。

ビットコインを代表とする誰もがノードとして参加できるように公開されているブロックチェーンは「パブリック」と呼ばれ、NEMもこれに該当します。それに対してmijinは管理するネットワーク上で、指定したノードだけが参加することができる「プライベート」なブロックチェーン(Permissioned Blockchain)を構築するためのプラットフォームです。

許可制ブロックチェーン(Permissioned Blockchain)

mijinは、既存の多くのデータベースと入れ替えることが可能です。リレーショナルデータベース用途ではなく、計算処理や決済、アセット管理、情報管理、契約執行に最適であり、既存の開発コストとインフラコストを大幅に削減します。

多くの現実世界におけるビジネスや金融業界のユースケースには、ブロックチェーンに参加できる人々は限られています。これは、許可制ブロックチェーン(Permissioned Blockchain)と呼ばれ、Mijinはそれに必要な強力な機能を提供しています。

Mijinは2016年4月に、Mijinをコアシステムとして採用しているDragonfly Fintechを通して、日本国内の大手銀行によって行われた第三者テストによって銀行の勘定システムとしての適用性を実証しています。

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Mijinは、そのデータ構造自体や設定項目などを含む多くの部分を、テックビューロにて全く新しい下位互換のソフトウェアとして再構築したものですが、NEMとのAPIの互換性は高く保たれています。これによりMijinのチェーンはプライベートビジネスにおけるニーズに特化することが可能です。このような形で、共通のAPIとしての設計を保つだけではなく、テックビューロの商業対としての立ち位置と、オープンソースプロジェクトとして存在するNEMコミュニティとを統合した新たなエコシステムを実現するために、テックビューロとNEMは協力しながら双方の製品開発に携わっています。

Catapult

本プロジェクトはコードネーム”Catapult”と呼ばれており、テックビューロとそこに専属で従事するNEMのコアデベロッパーたちとが共に開発した、現在のMijinプラットフォームに新たに修正と改良が加えた上で一から新しく開発されたバージョンです。

このアーキテクチャーを元に、MijinとNEMは暗号通貨界におけるまた新たな前例を生み出すことになるでしょう。Catapultは企業クラスのアプローチとしては初の試みです。Catapultはブロックチェーンドメインにおいて前例のない、新たなデザインのスタンダードを生み出し、そのレベルをさらに一段上へと押し上げることになるでしょう。

Catapultは性能向上のためにその仕様全体を一新し、遅延軽減のためプログラミング言語JavaからC++へと移行し、双方向通信向上のためhttpプロトコルからsocket通信へと移行します。 
Catapultは地理的に分散した状態でも、1秒につき4桁以上もの高いトランザクションを処理するなど、高スループットにも対応可能な、高いパフォーマンスを発揮する製品です。

Catapultは2016年初頭から開発されており、現在はステルスモードでテストを続けています。テックビューロによれば、現在はNEMのオープンソースプロジェクト開発にも熱心に携わっており、このCatapultのコードベースをNEMのオープンソースプロジェクトにも応用していくとのことです。

NEMやMijinのさらなる発展においてどのような意味があるのか?

今回の提携が成熟し開発が進むに従って、トランザクションの速度が改善するだけではなく、エンタープライズユーザーが繊細な機密情報が含まれるデータベースなどの処理をするためにプライベートブロックチェーンを利用することが出来るようになると同時に、パブリックブロックチェーンでその監査も行えるようになります。

またそのコミュニティ両立は、同時に全体としての負荷分散につながり、双方にとってプラスとなるでしょう。

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これに加え、ソフトウェアに変更や開発を行う必要性がある場合は、それぞれの側のユーザにて改良が実施された上で、それをもう片方にそのまま適用することが可能です。言い換えれば、元々Mijin向けのために新たに実装された新機能はNEMのオープンソースコミュニティに対しても実装可能で、その逆もまた然りということです。企業とオープンソースコミュニティという2つのモデルが独立した状態で、それぞれのセクターで活動することになりますが、お互いに協力しながら共通のAPIリソースを以て新機能を共有していくことで、お互いのセクター発展に対して貢献しながら進んで行く形となります。

 

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